キケン！「糖質依存」から抜け出す方法！

キケンな「糖質依存」から抜け出す方法

理由をつけてはスイーツをぱくり。

そんな日々が続けば、糖質依存症へまっしぐらです。

糖質依存は緩慢な自殺行為。まずは「糖質依存症チェックシート」を確認し、該当したら後半で「糖質中毒から抜け出す方法」もチェックしてね。

 

まずは依存チェックをやってみよう

アルコール依存症の可能性を判断する設問を参考に作成。1つでも当てはまったら糖質（砂糖）依存症の可能性があるからね。

3項目以上当てはまったら、完全な糖質依存症(◎_◎;)

すぐに改善の必要ありです。

糖質依存チェック

1. 空腹ではないのについ甘いものを食べてしまう。
2. 甘いものを食べたり飲んだりする量が以前より増えている。
3. 甘いものを食べたり飲んだりするとスッキリする。
4. 清涼飲料水を飲むことが多い。
5. 周囲の人から甘いものを食べ過ぎ、飲み過ぎと指摘されたことがある。
6. 少しだけにしようと思っても、必ず目の前の甘いものを食べきってしまう。
7. コーヒーや紅茶に必ず砂糖を入れて飲む。
8. お菓子など甘いものや飲み物が常に身近にある。
9. コンビニやスーパーに行くと、必ず甘いものを買う。
10. 甘いものを食べたり飲んだりしないとイライラする。
11. ストレスを感じると甘いものを飲んだり食べたりしてしまう。

該当数が1〜2項目：糖質中毒の疑いあり

該当数が3項目：完全な糖質中毒。要改善。

 

糖質依存症は砂糖依存症

とくにお腹が空いているわけではないけれど甘いものが欲しくなって、ついついお菓子に手を出してしまう…

身の回りに甘いものがないとイライラして落ち着かない。

こうした糖質にハマってやめられない状態を糖質依存症っていいます。

 

この場合の「糖質」は砂糖などの「糖類」のことを指します。

ひと口に「糖質」って言うけど、その内訳は食物繊維を含む「炭水化物」、食物繊維を除いたでんぷんなどの「糖質」、さらにはブドウ糖や砂糖などの「糖類」という3つのグループがある。

 

甘いものの正体はこのうちの「糖類」に当たります。

なかでも最も手軽に入手できて口にしやすいのが砂糖。

糖質依存症はすなわち砂糖依存症のことなんです。

消化吸収速度が違う糖質の3つのグループ／糖質の中では食物繊維を含む炭水化物が最も消化吸収スピードが遅くて、糖質はそれより若干速い。

2個以下の単純糖質で構成されている糖類は消化の手間がほとんどかからないんです。

 

飢餓の歴史が砂糖を好む本能を育んだ？

どうして砂糖にハマってしまうのか？　

砂糖の主成分のショ糖は糖類の最小単位、ブドウ糖と果糖という単純糖質が2つ繫がったものです。

 

で、ショ糖は単純糖質がたくさん繫がってできているでんぷんなどに比べると、非常に消化吸収が速い。

いくつもの鎖を外すには手間がかかるんだけど、2つのものを1つに切り離すのはとっても簡単。

口に入れた後はほとんど消化システムを必要としないで、速やかにカラダに吸収されて血糖値が上昇する。

 

99％は飢餓の時代といわれる人類の歴史からして砂糖は極めて効率的なエネルギー。

長い飢餓環境で本能的に甘いものを求める脳の回路が作られたと考えられるんです。

 

実際、ダイエット経験者はビュッフェなどで真っ先に甘いものに手を伸ばすという話もあります。

明治以降、精糖技術が進んで貴重な砂糖が大量に摂取できるようになって、砂糖依存症が蔓延することになったという事なんです。

 

ストレスで陥る糖質依存

砂糖依存症は飢餓を避けるという生命維持の本能だけでなくて、仕事や失恋などのストレスによっても陥りやすいとも考えられているんです。

山口県立大学が行った実験があって、健康な成人に異なる飲み物を飲んでもらい、その後15分間暗算をさせるという実験なんです。

甘い糖類のみがストレスを緩和／右のグラフは実験飲料摂取前後の血糖値の変化です。

デキストリンとブドウ糖のグループに変化あり。左は暗算前後の活気の差。

ブドウ糖群だけその差がプラスの数値を示しました。

 

ブドウ糖、エリスリトール、デキストリンを加えた飲料と何も加えない飲料をそれぞれ被験者に飲んでもらったところ、ブドウ糖とデキストリンのグループは飲んだ後に血糖値が上昇しました。

さらに、暗算というストレスの前後の活気を調査したところ、他のグループは活気が低下したのに対して、ブドウ糖のグループはその低下がさほど見られなかったんです。

暗算の正解率に関しても、最後の2分間を見てみるとブドウ糖のグループがダントツに高かったんです。

エリスリトールは甘味はあるけど血糖値が上昇しない糖質、デキストリンは血糖値は上昇するけど甘味のない炭水化物。

ブドウ糖は甘味と血糖値の上昇、どちらも備えた糖類。

 

ということで、やる気を維持し作業効率を上げるためには、甘味を感じて血糖値の上昇が見られることが条件になるという事なんです。

砂糖はこの条件をばっちり満たすから、ストレスにさらされている現代人は砂糖を口にしてしまうというわけなんです。

 

食後の眠気は血糖値スパイクのせい？

今日はあまりに忙しくて食事のタイミングを逃しまくり。

午後2時過ぎに、ようやくもちもちドーナツにありついたはいいけれど、あれれ？　とてつもなくカラダがだるく、眠くなってきた〜。という経験がある人いませんか？

それって糖質依存による血糖値スパイクに陥っている可能性が高いです。

 

空腹状態でいきなり甘いものを口にすると、一気に血糖値が跳ね上ります。

おそらくは血糖値140mg／dl以上の食後高血糖のレベルに達しているはずです。

これに対処するためにインスリンがドバドバ出て、今度は一気に低血糖になっちゃいます。

これが血糖値スパイクです。

 

低血糖状態は命に関わる一大事。

なので、再び手っ取り早いエネルギー源となる砂糖が欲しくなる。

おっと、眠気醒ましにタピオカミルクティー？ そして血糖値スパイクの悪循環になっちゃうんです…

棘のように変動する血糖値スパイク／食事直後に血糖値が急上昇して、インスリンの働きで急降下。

 

場合によっては低血糖に陥ることもあるんです。

このタイミングで甘いものを口にすると再び血糖値が急上昇し、血糖値スパイクの悪循環になります

 

砂糖＝マイルドドラッグ

大好きなもちもちドーナツを食べて幸せな気分になって、しばらくするとカラダがだるくなって集中力が低下、再びタピオカミルクティーを飲んでハイな気分になる。

この状態、何かに似ている……。

そうまさに、薬物依存の状態に酷似しているんです。

人も動物も「超気持ちイイ！」という感覚を得ることが行動のモチベーションになるのは確かです。

快感を感じるのは脳内の「報酬系」と呼ばれる神経。

報酬系は生命維持活動を司る脳幹に始まって、知的活動を制御する前頭前野に至る神経で、主にドーパミンという神経伝達物質の作用で快感が生じる仕組みになっています。

覚せい剤や麻薬といった薬物は報酬系神経を活性化させドーパミンの分泌を促します。

砂糖の甘味もこれと同様の作用をもたらすことが分かっているんです。

さらに、砂糖の甘味は脳内麻薬と呼ばれるB-エンドルフィンの分泌にも関わってるんです。

これが砂糖が「マイルドドラッグ」と呼ばれる理由なんです。

依存の程度は薬物に比べて低くて、禁断症状も弱いから、もちろん法に触れるレベルではないです(笑)

とはいっても、依存度が進行すれば深刻な病気のリスクを招くことは必至。

用注意なんです。

甘味によって脳は快感を感じる／砂糖の甘味は味覚神経から脳に伝えられて、脳幹の腹側被蓋野という部位でドーパミンが産生される。

ドーパミンは側坐核という部位を経由し前頭前野に伝達され快感が生じる。

糖質依存は緩慢な自殺行為

糖質依存症はもはや単なる甘党、などと言ってはいられないある種の病気です。

度が過ぎれば以下のような健康障害に陥る可能性が高いんです。

まず、糖質の代謝に関わるビタミンB1が圧倒的に不足することで疲労感や抑うつ症状が見られるようになります。

インスリンの過剰分泌でインスリンの効きが悪くなって糖尿病のリスクが高まります。

摂取エネルギーの増加で肥満になって、メタボ関連の病気や脂肪肝、婦人科系の病気、大腸がんや子宮がんなどに陥る危険性も。

さらには血糖値スパイクの際に生じる活性酸素によって血管や細胞が繰り返し傷つけられて、動脈硬化が促されることも分かっています。

糖質依存こそは緩慢な自殺！

引き返すなら、今のうちですよ。

糖質依存によってリスクが高まる病気とは？／糖質の過剰摂取で肥満に陥ると、メタボリックシンドローム系ばかりではなく、内臓系の病気やがん、婦人科系の病気のリスクが高まる。その他、虫歯や歯周病、ビタミンB1不足によってメンタルが病むことも。

 

依存症克服は、常備スイーツの撤廃から

ただちに砂糖をオールカットせよ！とは言わない。

ストレスによる反動で、逆にスイーツドカ食いに走る可能性が大ありだから。

なので、できることからコツコツと。

手始めに行ってほしいのは常備スイーツの撤廃。

ケーキやアイスを自宅にストックしない。

グミやクッキーをデスクの引き出しに入れない。

これだけでも甘いものを無意識に口に運ぶ機会が減るはずです。

 

飲み物にも注意怠りなく。

清涼飲料水は避ける。

コーヒーや紅茶はシュガーレスをモットーに。

毎日甘いものを食べている人は、とりあえず1日おきに頻度を落として。

甘味が欲しいときは果物でしのぐ。

意外とイケる感覚を摑んだら3日に一度、週に一度、たまのご褒美と徐々に離脱していきます。

 

WHOの推奨値もドーナツ1個でアウト

2018年に発表されたWHO（世界保健機関）の健康的な食事に関する推奨事項は、主食、果物や野菜、脂肪、食塩などの摂り方に関する5項目からなっています。

このうちの1項目に取り上げられているのが糖類に関するもの。

基本、単糖類と二糖類は総エネルギー摂取量の10%未満にする。

1日2000kcalを摂取するとしたら200kcal分、重量換算すると砂糖50gになります。

ただし、これはあくまで目安。理想的な数値としては総エネルギー摂取量の5%未満、砂糖25g未満が推奨されてるんです。

チョコレートでコーティングされたドーナツ1個に含まれる砂糖の量は約26g。1日の理想値オーバーということです。

 

糖質中毒から抜け出す方法

1. 甘いものを身の回りに置かない
2. スーパーやコンビニに行くときは、あらかじめ何を買うか決めてから行く
3. コーヒーや紅茶に砂糖を入れない
4. 清涼飲料水の代わりに水やお茶を飲む
5. 間食は原則的にしない
6. どうしても間食をするときはナッツ類、ドライフルーツ、イモ類などを
7. 過激なダイエットはしない
8. 適度な運動をす
9. 甘いものをやめることを周囲に宣言する
10. 体重を毎日計る
11. 夜更かしをしない

無意識食べを卒業したら、ナッツや栗など間食の置き換えへ。

深夜は甘いものが欲しくなるので、早く寝るとか生活習慣の改善もマストですよ(^^)v